TeX を用いたスライドの作成

Comp. on Dec 20, 2002
Rev. on Feb 22, 2003

ここでは,OHP またはプロジェクター用のスライド(フォイル)を TeX を用いて作成する手順を示す.

特徴

TeX を用いてスライドを作成することは,以下のような利点がある.

方法

LaTeX2e によるスライドの作成には,次の 3 つの方法がある.

以下において slides class を用いる方法と seminar class を用いる方法を説明する. 2 つのクラスの使用上の大きな違いは, seminar class は PSTrick を使用していることで, カラースライドの作成までは問題がないが, seminar class でオーバーレイを作成するときは, PSTrick に対応してしない dviout や dvipdfm(x) は使用できない. 一方、 seminar class では slides class にない色々な飾りが作りやすいという利点がある.

class dviware カラースライド
の作成
PSTrick オーバーレイ
の作成
slides class dviout 可能 使用せず 可能(やや面倒)
dvips(k)
dvipdfm(x)
seminar class dvips(k) 可能 対応 可能(簡単)
dviout 対応外 不可能
dvipdfm(x)

注:1 つのスライドに図や追加説明のスライドを重ねて使う時に, 重ねる方のスライドをオーバーレイ・スライドまたは単にオーバーレイと言う.

Slides class によるスライドの作成

LaTeX2e の slides class は次の4つの環境からなっている.

  1. \begin{slide} と \end{slide} で囲まれる "slide" 環境
  2. \begin{overlay} と \end{overlay} で囲まれる "overlay" 環境
  3. \begin{note} と \end{note} で囲まれる "note"(口述部分) 環境
  4. 残りの通常の文章
したがって,論文原稿や講演梗概の TeX のソースがあれば, スライドにする部分を \begin{slide} と \end{slide} で囲めば, スライドが作成できるなど,再利用ができる訳である.

準備

slides class を使用してスライドを作成するには次のものが必要である.

・Slides class
slides.cls は通常は LaTeX2e distribution に含まれている.
・Color graphic package
オーバーレイやカラースライドを作成したい場合は, カラーパッケージが必要であるが, これも通常の LaTeX2e distribution に含まれている.
・Fancybox.sty
Fancybox.sty は通常は LaTeX2e distribution に含まれていないようなので, CTAN から取得する.

例のように, 定理を枠で囲むなどの飾りを作成するためには次の部分を preamble に入れる. 枠飾りをしない場合は要らない.

\usepackage{fancybox}
\newenvironment{FramedMinipage}%
 {\begin{Sbox}\begin{minipage}}%
 {\end{minipage}\end{Sbox}\fbox{TheSbox}}

・A PDF conversion software (option)
ディスプレーを使って表示したり,Web で公開しようとするときは, DVI 形式の他に PDF 形式のファイルを用意した方がよい. Acrobat reader を標準にインストールしていても DVI ware まではインストールしている人は少ないし, さらに, TeX でカラーの扱いが DVI ware により違いがあり, 問題が起きるおそれがあるからである.

DVI 形式のファイルを PDF 形式に変換するには,幾つかの方法がある.

  • TeX のソースを始めから pdfTeX により作成する.
  • LaTeX を用いて DVI ファイルを作成し,フリーソフトウェア dvipdfm(x) により PDF 形式に変換する.
  • LaTeX を用いて DVI ファイルを作成し,dvips(k) により PS 形式に変換し, さらに,Acrobat Distiller または Ghostview 付属の ps2pdf により PDF 形式に 変換する.

これらの方式のうちで,pdfTeX は日本語への対応ができていないようなので, 残りの方法を考えよう.

スライド作成

  1. TeX ソースを

    \documentclass{slides}
    
    で始める.a4paper, fleqn のオプションを使用できる.

  2. スライドにする部分を

    \begin{slide}
        スライドの文
    \end{slide}
    
    のように slide 環境に入れる.

  3. オーバーレイを作成する場合は,次のようにする.

    1. オーバーレイのある部分のスライド (\begin{slide} と \end{slide} で囲まれた部分)のコピーを作る.
    2. オーバーレイにするスライドを \begin{overlay} と \end{overlay} で囲む.
    3. 主部にする a のスライドでオーバーレイ部分を \color{white} コマンドにより "白色" にして隠す. 白色の部分は印刷の際には現れない.
    4. 逆に,b のオーバーレイでは, 主部を "白色" にする.この部分は,印刷の際に現れない.
    5. 以上の結果, オーバーレイのある部分は
      \begin{slide}
         bar bar
      {\color{white}
         foo foo
      }
      \end{slide}
      
      \begin{overlay}
      {\color{white}
        bar bar
      }
        foo foo
      \end{overlay}
      
      のようになる.

      bar bar のところが主になるスライドに現れ, foo foo のところがオーバーレイに現れる. オーバーレイの番号は 3-a, 3-b などと印字され, オーバーレイであることを示す.

  4. スライドとオーバーレイのみを印刷する場合は, preamble に \onlyslides{1-3,7-10} を入れておく.

    ノートを印刷するには,preamble に \onlynotes{10-999} を入れておく.


Seminar class によるスライドの作成

始めに,slides class との違いを説明する.

準備

スライドの作成